うちもアスペルガー母?
最近こんな本を読みました。
司馬理英子さんという方が書かれた【「母がストレス!」と思ったら読む本「アスペルガー母」への対処法】です。
わたしはこの本を読んで衝撃を受けると同時に、いろんなことが腑に落ちました。
母はなんでこんなことを言うのだろう?
母はなんでこんなことをするのだろう?
なんだか、どこか、ほかのお母さんと違う気がする。
その原因が、発達障害からくるものだとしたら…
思ってもみない発想でした。
自分の母親が発達障害という事実は、受け入れがたいことかもしれません。
でもそんな新しい視点で母との関係を見たとき、対処法や解決策が見いだせるのだとしたら、マイナス面よりむしろプラス面のほうが大きいですよね。
アスペルガー母の特徴はいくつかあるようですが、わたしの母の気になる点は会話です。
多くの人は相手の表情や反応を見て気持ちを察しながら会話をしますが、わたしの母はそんなことおかまいなしに自分が言いたいことを言ってしまうんです。
アスペルガー脳の特徴に“相互応答性”(相手の反応や気持ちの変化を察知して臨機応変に対応すること)の乏しさがあるようです。
そのせいか、相手が不快になったり傷ついたりするようなことも躊躇なく言えてしまう。
そしてそれを言われた相手の気持ちを推し量ることができないから、言った本人はなんの悪気も無くけろっとしているんです。
たとえばふくよかな人に太ってるねと言ったり、口に合わない料理を作り手の前で美味しくないと言ったり。
本人はただ事実や感じたことを素直に言っただけなのに暴言や失言になってしまう。
そんなことが日常茶飯事。
母から言われたことが悔しくてもぐっと我慢をする人や、それは違うと反論する人。
母の自己中心的な発言から、日舞の教室に通うお弟子さんと口論になっている現場をわたしは小さい頃からよく見てきました。
他人に対してもそうなのだから、ひとり娘であるわたしはその被害をまともに受けてきたわけです。
しかもわたしはHSP気質。
人一倍敏感で繊細な心が、無邪気でストレートな母の発言によりずたずたにされながら育つというハードな環境にいたんですね。
わたしが小学生の頃、母が日舞の仕事で一週間ほど家を空けることが度々ありました。
わたしは学校から帰ると友達と遊びにも行かず、母のかわりに夕飯を作ったり掃除をしたりして家事をこなしました。
寂しいけど、母も頑張っているから力になろう!
そんな思いで過ごした一週間。
ようやく帰ってきてくれたことが嬉しくて(小さい頃は母が大好きでした!)そばにまとわりつくわたしに母が放った言葉は、
「あーもうっ、帰ってくるんじゃなかった!」
わたしは耳を疑いました…
悲しくて、胸がぎゅうっと苦しくて、今でも言われたときの蛍光灯の明るさや母の表情がありありと思い出せてしまうくらいショックでした。
理由はたしか、キッチンが片付いていなかったとかそんなことだと記憶しています。
一週間、家事と育児から開放され、また現実に引き戻された落差などもあったかもしれません。
でも母は、そのときそう思ったから言っただけなんですよね。
そこにはなんの悪意もない。
もちろん、わたしがすぐ横で傷ついていることも理解していません。
(そのあとさらにグチグチと続けていたので…)
母からの言葉で傷ついた経験はこれだけではないです。
もっともっとあります。
今までは、こういった母の発言が理解できなかったし許せなかった。
でもそれがアスペルガーの脳のクセによるものだったと考えたら、母に対して抱えていた怒りや悲しみがふっと軽くなるのを感じました。
母がアスペルガーだと診断されたわけではないから、ひとつの可能性にしか過ぎません。
それでも、違う視点でものごとを見るきっかけにはなるし、なによりそれでわたしの心が軽くなるなら良い気づきだったのかなと思います。
深く考えず無邪気に発言をするアスペルガー母と、非HSPの人なら聞き流せることも敏感に反応したり深く考えてしまうHSPの子。
なかなか難しい組み合わせですね。
あなたのお母さんはどうですか?